(あとがき)
とける公開から4ヶ月。なんだかもっとずっとずっと前な気がする。
時は、ハッとするくらいあっという間だったと思ったり、風のない日の雲みたいにゆっくりと流れているように感じることがあるのは何故なんだろう。
たくさんの応募者の名からキャスティングをして決まった、いかちゃんとれいかちゃん。
4人で顔を合わせたのはハウススタジオのロケハンの日で、元から姉妹だったと錯覚するくらい、かなみとかなただった。
わたしたちはたくさん話し合いをした。新木場のスタジオで、新宿の椿屋珈琲で。あるいは中目黒の居酒屋で。
撮影当日は、寒くて少し雨も降っていた。
射水作品はいつも雨が降る。
わたしたちは乾いた土壌。
射水さんが水を与えてくれている、気がする。
わたしがつくる映画は、朝のおいしいコーヒーみたいなものでありたいと思っている。家を出るときスキップで出かけるための、誰かの人生を彩るものであってほしいと願ってる。
melt
【動】溶ける、移り変わる
(感情などが)次第にやわらぐ
[進行形で]暑くてたまらない
射水さんがつむぐ言葉たち。
黒沢さんが見てるもの。
熔けて、混ざった わたしたちの世界。
「とける」わたしたちのもとを離れて
もっとたくさんの方のところへ
2023.10.28
文:最上友莉花